ミシン以外にも様々な製品を展開しているブラザー社のTAKERUという機械が30周年 ということで、見てきたやつです。
今では直接アプリを購入(課金)できますが、日本の家庭にインターネットが繋がる前後まで稼働していた、ソフト販売機のお話。
実際に触ったのは数回で、購入したソフトも数本、既にインターネットには接続されていて、街の「パソコンショップ」というものが、辛うじて生きていた時代。*1
当時でもパッケージ化以外の方法でソフトは流通していましたが、決済を行うにはハードルが高く、オンライン上で支払い(クレジットカード払いなど)を行うには手間がかかるものでした。
シェアウェアという、今でいう「お試し解除 *2」「アイテム課金」のような仕組みを持ったソフトもたくさん出回っていて、気に入ったら作者指定の方法で入金、解除パスワードを入手する。という流れでした。
有料ネットワーク(パソコン通信など)に参加している場合は、その中の代行サービスを利用する事もできました。
ちなみに、インターネット上で同様の決済ができるVectorの「シェアレジ」が開始されたのが1998年のようです。
という訳で、その当時からソフトを買って何かをするには少し敷居が高い(または、お金が多少かかる)ものでしたが、その敷居を下げるソフト販売機 TAKERU は、魅力的なものでありました。
当時、カード払いが出来なかった未成年でも、お小遣いの範囲で何とか出せる金額でソフトが入手できる。(しかも回線代が掛からない!)
出てくるフロッピーディスクを機械に差し込んで、ソフトを書きこんでいる間に印刷されるマニュアルを受け取り、ワクワクしながら家へ帰る。そういった夢の機械でした。
その場でソフトが入ったディスク、説明書を作る機械なので、少し待つ必要がありました。
今ではダウンロードしたゲームの中に説明書が含まれているので、便利な時代になったと思います。
会場には、当時のソフトウェアのパッケージ版を展示してありました。
実際にTAKERUから用意されるものは、一般的なディスクと印刷された紙なので、立派なパッケージは含まれません。そのかわり、安く販売が可能になるメリットがあります。
ゲーム以外にも実用ソフトウェアなど多数登録されていました。
内部は銀行のATMにも似た構造になっていて、画面をタッチしてソフトを選択、購入手続きができます。その後、自動販売機のような入金エリアにお金を入れると、持ち帰り用のディスクとマニュアルが出される、という流れだったように思います。
可能であれば、もう一度体験してみたかったやつです。
当時を懐かしむ方が、当時のディスクを持参して、開発した方と話をしていました。
便利でしたが、色々な事情でなくなってしまったソフト自販機のお話。
ロングセラー熊。